車載器(DCM)普及可能性に関する考察
今後の自動車におけるコネクティッド機能の普及に重要な役割を担う車載器のユーザーを増やすため、スマホ普及率が高い米国で、敢えて車載器カーナビを利用するユーザーの理由や背景を探る。
●背景・目的
・近年、自動車業界において開発が進められるコネクティッドカーの普及には、車載器が重要な役割を担う。その一方で、最近カーナビゲーションの機能をスマートフォン(以下、スマホ)で代替する自動車ユーザーが増えており、車載器とは競合関係にある。
・そのため本考察では、スマホ利用先進国である米国の車載器利用状況を調査することにより、今後車載器ユーザーを増やすためのヒントを探る。
●スマートフォン普及率・依存度
・米国のスマホの普及率及び依存度は、ほぼ80%と高いレベル。
・それにもかかわらず、米国の自動車ドライバーの4人に1人はカーナビとして車載機のみを利用。
<スマホ普及率>
・日本:64%、米国:78%(対日本+14ポイント)
<スマホ依存度>
・日本:59% 米国:77%(対日本+18ポイント)
※「スマホが無いと生活できない」及び「スマホが無いとかなり不便」の回答者割合合計
●カーナビゲーションの利用手段
・米国の自動車ユーザーのうち、26%のユーザーはカーナビとして車載器のみを利用。
○カーナビゲーションの利用手段
※車載器派:カーナビとして車載器のみを利用、スマホ派:カーナビとして何らかスマホを利用
●米国の車載器ユーザーの利用理由
・車載器を利用する理由は、画面が大きいことと、操作性が良いこと。
・加えて、車載器にしか提供できない、クルマのメンテナンス情報やオペレーションサービスも良く利用される。
○車載器を使うメリット
○車内利用アプリ
●車載器ユーザーの属性・特徴
・米国の車載器ユーザーの特徴は若年男性で収入も高く、クルマを長時間利用する。
・ハンズフリー利用経験割合も高いなど、IT、IoTへの関心も高い。
<車載器ユーザー属性・特徴>
・性年代:男性が7割。30代以下が多い
・年収:1千万円(9万$)以上が46%と高収入
・クルマの平均利用時間:3時間以上が3割を占める
・ハンズフリー利用経験:2/3が利用経験あり
●まとめ
・以上を踏まえると、車載器の潜在的ニーズは十分高いといえる。そのため、本調査結果を踏まえ、今後、下記のような深堀調査を行うことで、車載器普及の条件や可能性等に関する詳細な分析が求められる。
-自ら車載カーナビを購入・取付する等、その良さを積極的に評価するユーザーを対象に選考理由の深堀
-各社カーナビ(テレマティクス)サービス間比較評価による高ニーズサービスとその背景の深堀
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○調査概要
<調査方法>
・Webアンケート調査
<実施時期>
・2018年3月12日~21日
<サンプル>
・日米自動車ユーザー各500s
*日米主要都市にて実施(日本12都市、米国10都市)
○御意見・お問合せ先
report-ml@gendai.co.jp
株式会社 現代文化研究所 IoT/自動化/物流チーム(廖、原田、中野、岡田)