日本は課題を原動力に次世代物流に構造転換できるか
~デジタル、災害・有事、新しい生活様式、地球環境に対処、その先に日本ブランド物流~

概要

  • 2020年度は現行「総合物流施策大綱」(17年度~20年度)計画期間の最終年度にあたる。 「次期総合物流施策大綱」策定に向けて、学識経験者等による検討会にて、 20年7月より、今後の物流施策の在り方の検討が重ねられてきた。
  • 今回、その検討結果が、「2020年代の総合物流施策大綱に関する検討会」提言、として取り纏められ、公表された。
  • 提言は、新型コロナ感染症に伴う社会・経済環境の変化によって、先鋭化、明確化した、物流を取巻く環境の変化を整理、これを踏まえて、次期大綱で取組むべき、3つの方向性を提示している。

*モニタリング期間:2020年12月1日~2021年1月31日

公表情報タイトル:「2020 年代の総合物流施策大綱に関する検討会」提言がとりまとめられました~「簡素で滑らかな物流」、「担い手にやさしい物流」、「強くてしなやかな物流」の実現に向けて~
発信元:国土交通省総合政策局物流政策課/道路局企画課道路経済調査室
2020年12月23日

1.課題認識:物流を取巻く環境の変化

  1. 人口減少・少子高齢化に伴う労働力不足の社会問題化
  2. 災害の激甚化・頻発化により露呈した物流ネットワークの脆弱性
  3. Society5.0 の実現によるAI・IoT等の新技術の導入の進展
  4. 地球環境の持続可能性の確保や SDGsへの対応5)新型コロナウイルス感染症への対応

2.次期「総合物流施策大綱」が目指す3つの方向性

  1. 「簡素で滑らかな物流の実現」・・・主に課題1),3), 5)に対応
    →物流DX(機械化・デジタル化)を通じた既存オペレーション改善、働き方改革
  2. 「担い手にやさしい物流の実現」・・・主に課題1),3)に対応
    →労働力不足対策と物流構造改革の推進
  3. 「強くてしなやかな物流の実現」・・・主に課題2),4),5)に対応
    →強靱で持続可能な物流ネットワークの構築

3.推進体制(従来から変更)

  • 大綱本体のなかで、目標達成を見極める為の重点KPIを設定し、関連施策の内容を具体化し、有識者がフォローアップ評価を実施することで、統合的な実施と到達管理で、実行性と機動力を高める方向。(従来は大綱に沿って別途策定の「施策推進プログラム」で省庁毎の施策とKPI を設定。国が毎年改定・推進)

当社の視点

  • 新型コロナ感染症を経験し、新たな生活様式に対応し、産業活動を支えるための、エッセンシャルサービスである物流の強化と進化は、日本の喫緊の課題。
  • 日本が目指す次世代の物流のあり姿として、デジタル技術の積極活用と、日本の産業の国際競争力を確保する物流の強靭化、カーボンニュートラルな物流の実践による地球環境・SDGsへの貢献、が特徴的である。
  • 次世代物流の実現を通じて獲得した、新技術の社会実装や仕組み等のノウハウを新たな付加価値にできれば、“日本ブランド”物流で海外輸出するビジネスチャンス拡大につながるものと考える。

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日本は課題を原動力に次世代物流に構造転換できるか
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関連情報

「2020年代の総合物流施策大綱に関する検討会」(開催状況第1回~7回、2020年代の総合物流施策大綱に関する検討会提言) 
「2020年代の総合物流施策大綱に関する検討会」(【参考資料1】 次期総合物流施策大綱の概要(4枚版))
「総合物流施策大綱(2017年度~2020年度)概要」   
「総合物流施策推進プログラム」

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