国交省、物流効率化に向けた取り組みを後押し
~鉄道輸送の活用等による環境負荷低減や労働力不足の解消を見込む~
概要
- 国土交通省は、平成28年(2016年)10月に改正施行された物流総合効率化法に基づき、モーダルシフト*等の取り組みを側面支援する 「モーダルシフト等推進事業費補助金」の認定案件(計13件)を公表。
- 令和2年度(2020年度)は、トラック輸送から鉄道輸送や船舶輸送へのモーダルシフトにより、発災時の安定供給の維持、BCP対応、荷主間の連携の推進等を目指す各種の取り組みを支援。
- 補助金による財政支援に加え、画期的な取り組みをモデルケースとして紹介することにより、業界全体への波及効果も期待。
*注:モーダルシフトとはトラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換すること
(国土交通省)
*モニタリング期間:2020年8月1日~8月31日
公表情報タイトル:モーダルシフトにより発災時の安定供給の維持や荷主間の連携を推進する等、
計13 件に補助金交付を決定
~令和2年度「モーダルシフト等推進事業費補助金」の認定及び交付決定~
発信元:国土交通省総合政策局物流政策課 2020年8月14日
認定案件の内容
モーダルシフトの類型別比率(図表1参照)
- 17年度以降、漸減傾向であった「鉄道輸送への転換」比率が20年度は再び拡大
図表1:認定案件の類型比率の推移(過去5年間)
国土交通省発表を基に当社作成
認定案件の一例(図表2参照)
- 取組主体:大分地区モーダルシフト推進協議会
(三和酒類、日本通運、さんふらわあ物流、日本貨物鉄道の4社で構成) - 内容:従来の九州→近畿・北陸向けに酒類製品の陸送に加え、関西圏にストックポイントを設け、鉄道+船舶モーダルシフトによる安定供給の維持、BCP対応等を実現(鉄道と海上の2つの輸送モードに同時転換する全国初の認定案件)
- 効果:CO2排出量848.4t/年(70.5%)削減、ドライバー運転時間省力化:5,480時間/年(71.9%)削減
図表2:大分地区モーダルシフト推進協議会による事業概要
国土交通省九州運輸局
当社の視点
- 「鉄道輸送への転換」は、トラック輸送による「環境問題」、「労働力不足問題」等への有効な解決策であると同時に、足下のコロナ影響に伴う鉄道輸送量の落ち込みへの歯止め策としての効果も期待される。
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