『ラストマイル自動運転』車両システムガイドライン
~非接触時代が求める移動手段の実現へ~
出典:国土交通省
概要
- 政府は2020年までの限定地域での無人自動運転移動サービスの実現を目標に掲げている。
- 地域の移動手段として期待される「ラストマイル自動運転」などの実証実験が全国各地で実施されている。
- 産学官の関係者で構成される「先進安全自動車(ASV)推進検討会」での検討を経てガイドラインは策定された。
- 早期開発、実用化・普及を目指す上で車両システムに求められる要件として、①具体的な走行環境(場所、速度、天候等)と、②安全性に関する車両設計時の留意点をガイドラインは規定している。
※モニタリング期間:2020年6月1日~7月31日
公表情報タイトル:ラストマイル自動運転車両システムのガイドラインを策定しました!
~地域の移動手段確保に資する自動運転車両の早期実用化に向けて~
発信元:国土交通省自動車局技術・環境政策課2020年7月17日
ガイドラインの概要
- 走行環境の具体例:線路跡等の限定された空間、電磁誘導線等で予め設定された経路、最高速度30km/h 以下、センサが十分機能する天候等
- 設計時の留意点:対歩行者での間隔や徐行、急な進路変更なし、車内事故に留意した減速、緊急時の自動安全停止、運行停止手段の車内設置、周辺への「自動運転中」表示、サイバーセキュリティシステムについて基準緩和認定制度の活用等
- 補足1)自動運転車であることから、車両システムの設計にあたっては、国交省が定めた「自動運転車両の安全技術ガイドライン」に準拠することが前提である。
- 補足2)右記の輪島市の例にあるような無人走行の場合、国交省の「限定地域での無人自動運転移動サービスにおいて旅客自動車運送事業者が安全性・利便性を確保するためのガイドライン」に準拠することがさらに必要となる。
当社の視点:非接触時代と「モノ」のラストマイル自動配送
- 無人運転は非接触時代が要請するものでもあり、早期の社会実装が望まれる。今回のガイドラインは主に「人」の移動を支援する車両向けで、「モノ」についても首相官邸主導の未来投資会議は今年、積極的かつ迅速に推進していく方針を示している。
ラストマイル自動運転車両のイメージ
石川県輪島市:小型カート
- 2017年に実証評価を開始。・市内の1kmの規制されない一般公道で遠隔監視
- 操作システムを搭載した車両で行う。
- 一般公道に規制をかけずに、無人回送を想定した車両内無人での実証実験は全国に先駆けたもの。
茨城県日立市:小型バス
- 2018年に実証評価を開始。
- 日立電鉄線の廃線敷を利用したBRT (Bus Rapid Transit)専用道と一般道の3kmを走行。
- 運転席にドライバーが着座し自動運転レベル3相当の実験を行う
出典)ヤマハ発動機、産総研、及び国土交通省
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関連情報
・国土交通省:2020年実現目標を含む自動運転に関する主な政府方針
・国土交通省:「ラストマイル自動運転」車両技術の開発の推進・実証実験の実施
・国土交通省:先進安全自動車(ASV)推進検討会
・日本経済再生本部・未来投資会議
首相官邸:
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