国交省、多様なニーズに応える道路空間への再編を検討中
~ケーススタディ地区を近く公募開始~

概要

  • 国交省は、「賑わい」「安全」「新たなモビリティへの対応」など、道路空間に求められるニーズが多様化している状況を踏まえ、2022年度以降、道路空間の再編に関し新たな基準・制度を創設する考えである。
  • 検討会はその新たな基準・制度のベースとなるガイドラインの策定を目指すもので、2020年2月に設置された。交通計画分野で著名な埼玉大学の久保田教授が座長を務める。
  • ガイドラインを完成させるにあたり、検討会は特性の異なる地区を選定しケーススタディを実施する必要があるとした。2020年度中に複数の地区を選定し骨子案までを作成する。2021年度、地区毎に調査検討を実施し、完成させる意向である。
  • 2021年1月22日に開催された第3回検討会の資料が公開されたので、ガイドラインの内容を紹介する。

*モニタリング期間: 2020年11月-2021年1月

公表情報タイトル:道路空間利活用の評価やマネジメントのあり方、有用な個別施策の状況を議論します! 
~第3回「多様なニーズに応える道路空間」のあり方に関する検討会 ~

発信元: 2021年1月19日

ガイドラインの内容

  • 「多様なニーズに応える道路の再編ガイドライン」 (仮称)は、ポストコロナ中長期の道路政策の方向性を示した提言「2040年、道路の景色が変わる」に則る。
  • 提言は、多様な移動モードが階層的に整備され、まちの中心となる道路を人中心の空間として再編する必要があるとしている。
  • ガイドラインは、道路再編を目指す行政担当者に向けた手引書で、内容は以下3つの論点から構成される。

論点1:地域で機能をどう分担するか

地域のイメージを「都心部」「商店街エリア」「観光地」等に分類する。具体的なケーススタディ地区で、道路網の役割分担についての考え方を整理する。

論点2:道路空間をどう柔軟に使い分けるか

空間軸では車道・歩道・自転車道に再配置する、民有地オープンスペースと連携する等。時間軸では曜日や時間帯で歩行者優先・トラック荷捌き優先とする等。超小型モビリティ等との融合も図る等としている。

論点3:関係者でどう合意形成するか

ケーススタディ地区での検討を踏まえ、合意形成の進め方や、道路マネジメントのための機能評価の方法を構築していくという。

当社の視点

道路空間の再配分については、欧州の道路行政の柔軟性に見習うべきものが多い。気候変動やコロナ禍、少子高齢化、移動手段の電動化・小型化等の社会的環境の変化と技術革新が進んでいる。財源等に懸念はあるが、日本行政府には期待がされている。

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国交省、多様なニーズに応える道路空間への再編を検討中
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