「ビヨンド・ゼロ(温暖化ガスゼロ)」実現に向けて
~日本も水素の技術革新と利活用のアクセルを踏む~

概要

  • 10月14日、水素閣僚会議特別イベントが行われた。経済産業省とNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が主催し、23か国・地域、国際機関、各企業の代表者ら、総勢約2,800人が参加。
  • 参加者間で、水素の製造と利活用への取組みの共有や、脱炭素化社会実現における水素の役割や技術開発、制度の国際調和など国際連携の更なる強化の必要性などについて議論、グローバル規模で水素社会への方向性と協調を確認した。

*モニタリング期間:2020年10月1日~10月31日

公表情報タイトル:水素閣僚会議特別イベントを開催しました
(発信元:経済産業省 2020年10月15日)

会合の主な内容

グローバル・アクション・アジェンダ(GAA)プログレスレポート発表
昨年の水素閣僚会議で発出された、水素社会への各国行動指針である(GAA)に関する各国・機関の1年間の取組進捗をレポートに取り纏め。
(レポート概要)

  • 水素戦略/ロードマップ:日本、豪州、独、仏、EU、ポルトガル等12か国・地域が発表している他、英、チリ、ポーランド、南アも検討中
  • モビリティ分野での燃料電池利用:FCVの2019年販売数は対前年比2倍以上の伸び。日本は大型モビリティ向けの充填技術開発に着手。独、西、伊、英、仏が燃料電池列車導入を発表。中国はFCトラムを導入
  • 国際サプライチェーン:日本は液化水素運搬船を建造。蘭・ポルトガル、 独・豪州は水素の輸出入で協力
  • IEAの水素導入見通し:パリ協定の目標達成とクリーンエネルギーへの転換に水素は不可欠との見解を提示

当社の視点

  • 日本以外(米独豪等)でも、2000年初めから水素利活用の取組みは始まっており、ここ数年で加速。日本も菅首相が温暖化ガス2050年ゼロを表明し、クリーンエネルギー転換のカギと目される水素の利活用へアクセルが踏み込まれた。運輸部門では電動車に加えて、水素車の実用化取組みが加速することになりそうだ。


FC大型商用トラック実証実験(17年~、米国)


世界初水素燃料電池船(欧州)


水素燃料電池バスの運行(日本)

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「ビヨンド・ゼロ(温暖化ガスゼロ)」実現に向けて
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関連情報

・経済産業省:水素社会に向けた「グローバル・アクション・アジェンダ」プログレスレポート2020 概要
・経済産業省:会議総括 Summary Statement
・資源エネルギー庁:世界初!水素社会の実現に向けて閣僚レベルで議論する「水素閣僚会議」
・資源エネルギー庁:水素社会の実現に向けて、世界で目標を共有した「第2回水素閣僚会議」
・資源エネルギー庁:イノベーションを推進し、CO2を「ビヨンド・ゼロ」へ

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